野球を通じて
 心身の鍛錬と育成を。

「パチン!」ボールのミート音が心地よく耳に届く。安城少年ドラゴンズが練習する、安城市今池小学校のグラウンドからだった。創立40周年を迎えた同団体には、現在小学2年~6年の全19名が所属する。
その歴史がゆえんか、特筆すべきはチーム構成の組織化。大良代表をはじめ、監督・コーチが太い柱となって選手たちを支えている。指導者全員が野球経験者ということもあり、守備面ではグローブの向きやボールへのアプローチの仕方を、攻撃面ではバットの出し方や身体の使い方を、丁寧に指導していた。
6年生キャプテンの石山君。「市内の大会で優勝することが目標。キャプテンとしてチームの雰囲気が盛り上がるよう、声を出すように心がけている。将来は、プロ野球選手になりたい」と、迷いなく話す。
5年生が不在のため、石山君が卒団した後は4年生の三上君がチームを引っ張ることに。「うまくプレイできれば褒められるし、失敗しても励ましてくれる。自分一人じゃなく、みんなでやれる。だから野球は好き。みんなも野球やるといいのになあ」。明るく元気で、頼もしい限りだ。
指導者らに、チームのモットーを聞く。「野球の基本技能はもちろん、心身の育成に重点を置いている。挨拶などの礼儀や、自らすすんで行動できる力をつけてほしい」。その思いは、保護者らに安心感を与えているようで、保護者代表の兼子さんは「保護者の意見にも耳を傾けてくれてうれしい。野球の技術はお任せし、親としてやれることをやっていきたい」と話した。
役割分担のできている、指導者と保護者。ある種の線引きも必要なのかもしれない。だからこそ、子どもたちは野球に打ち込めるのだろう。

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