バレーを通じて
感受性豊かな人に。
体育館には子供たちの大きな声が響いていた。
それほど背が大きくない子から、“いかにもバレー選手”といった子まで、約15名が真剣な眼差しでボールを追っている。
今回取材に訪れたのは、岡崎市・幸田町のバレーボールチーム『六南クラブ』。
創立20年を超え、過去には全国大会への出場経験がある“強豪”チーム。
今でも県内の上位“常連”チームだ。
子供たちの目標を聞いてみると、当たり前のように、「全国大会に出ること」、「大会で優勝すること」と返ってきた。
この答えは、先輩たちの結果に傲ることなく、高い意識を持って練習に取り組んでいることの証でもある。
子供たちの指導にあたる近藤監督にお話を聞いた。
「挨拶や準備、片付け、声出し、球拾いなど、人としての基本を大事に、“コートの外でできないことは、コートの中でもできない”という信念の元、基本の大切さを教えています。ここでの基本を元に、中学、そして高校で活躍できる選手になってもらいたい。バレーはスポーツ。楽しむことは当然大切です。でも、スポーツだからこそ“勝負”がある。勝てば嬉しいが、負ければ悔しい。バレーを通じてさまざまな経験をして、感受性豊かな、心のある人に育ってほしいと思っています」
スポーツには勝ち負けがある。
一見、楽しさと勝負とは相反するモノにも思える。
だが、勝ちたいからこそ真剣に取り組むことで、今まで見えなかった“楽しさ”に出会うこともあるはず。
これこそが“成長”なのかもしれない。