BMXフラットランドライダー
駒形希星(12歳)・駒形夢月(10歳)
子供にとって、まだまだ馴染みの薄い『BMX』の世界。小さい頃に、この競技に取り組む場合、どうしても大人との関わりが多くなる。タイヤ部品のサポートをしてくれる高浜市の自転車ショップや、技の指南役となるBMXを楽しむ大人たち。彼らと関わりを持ちながら、大きく成長を続ける少年ライダーを紹介する。
真冬の寒さから少し開放された、多くの人々が集う公園で、巧みに自転車を操る少年たちがいる。彼らは自転車を“こぐ”のではなく、グルグル回転したり、フレームに乗ったり、タイヤを足で直接回したり、まさに、自転車を“操って”いた。
彼らの名は、駒形希星と駒形夢月。
“地上のフィギアスケート”と呼ばれるBMXフラットランドの兄弟ライダーだ。
フラットランドとは、平らな場所で自転車とともに回転したり、タイヤの上でバランスをとったりする競技で、芸術性の高いトリックを競い合う。
二人がこの競技に出会ったのは4年前。
たまたま訪れた自転車ショップで、BMXを楽しむ大人たちに目が釘付けになった。大人たちのプレーに魅了され、弟の夢月とともに一気にのめり込んでいった。
平日は帰宅後から日没まで、週末は半日以上、技の習得に没頭。日々練習に明け暮れている。
希星にBMXの魅力について聞くと、「難しい技にチャレンジしているので失敗ばかり。ひどく転倒したり、足が自転車に絡まったりと、体中キズだらけです(笑)。でも楽しいから続けています」。
二人の実力も相当なもので、さまざまな大会で優勝や準優勝などの入賞を果たし、弟の夢月については、2年前にキッズカテゴリーで全国優勝している。
ただ、子供の競技人口が少ないため、「トロフィーがビールジョッキ」なんてことも。
そんな二人の目標は、“世界大会”での入賞。すでに世界を見据える。
大人との関わりが強いBMX。
それに打ち込み続ける彼らは、少しだけ早く、大人の階段を駆け上がる。