相撲を通して、物事をまっすぐとらえる大人に。
岡崎市相撲教室
岡崎市中央総合運動場。
その施設の一部に、相撲場があるのをご存じだろうか。
ここを拠点に活動する「岡崎市相撲教室」では、小学一年~中学三年の男女が日々練習に明け暮れている。
指導に当たる大塚先生の指導の礎となっているのが「基本をしっかりやる」ということ。
技に固執し、勝敗にこだわるだけの相撲を子どもたちにさせたくないという思いがあるためだ。
稽古は終始、指導者からの叱咤や檄が飛ぶ中で行われ、張り手を受けた体を赤く腫らしながらも真剣に取り組む選手たちの姿が印象的だった。
男女関係なく、自分よりも体格のいい相手に、文字通り“体ごと”ぶつかっていく。
投げ飛ばされて涙を浮かべる選手もいて胸を打たれた。
全国大会入賞経験のある柴田歩乃佳さん(中三)に話を聞くと、「体が小さくても、基礎がしっかりしていれば力の入れ方やテクニックで体の大きな相手にも勝てる。だからおもしろい」と、相撲の魅力を教えてくれた。
チーム全体の性格を、負けず嫌いだがどこかおっとりしているところがあると大塚先生は分析する。
「相撲に必要なのは、基礎練習、闘争心。そして土俵の上でも実力が出せる平常心が大切。相撲を通して、物事にまっすぐ向き合える大人になってほしい」。
腰を据え、足をふんばり、顔を上げ、前を見る。
大人こそ大事にしなくてはならないそんな姿勢を、子どもたちは相撲を通して学んでいるのだ。