プロサーファーを目指す。
夏の某日。灼熱の日差しも、ここが海ならば遠慮はないとばかりに降り注ぐ。色素の抜けた髪から水を滴らせ、きらきらと反射を繰り返す水面から上がってくるのは成田憲士郎(小学6年)だ。
彼は、蒲郡市のサーフショップ「doors」に所属するサーファー。両親の影響で小さいころから海へ出かけることが多かったという。そんな彼が、必然的と言ってもいいほどに、サーフィンに興味を持ち始めたのは2年前のこと。夏場は海へ出て練習を繰り返すが、それ以外や平日はスケボーを使うことでその感覚を研ぎ澄ませている。海でも陸でも、彼の練習は続く。
現在若干12歳にして、NSAランキング16位と好成績。しかし本人はこれに甘んじる様子はなく「プロになることが目標」と話す。得意技のカービングを武器に、今後さらに活躍の場を広げていくだろう。子どもらしい無邪気な笑顔を見せ、サーフボードをぐっと抱きしめた彼は、額に張り付く髪が乾く間もなくまた海へと駆けていった。(文:光田さやか)