礼儀と相手を大切に、
相撲を楽しむ。
スポーツセンター内、相撲場に向かう廊下には、気合のこもった掛け声と、体のぶつかり合う音が響く。相撲場に入ると、子供達の息遣いや、土俵を足で擦る音までも聞こえる。目の前の相手に真剣に勝負を挑み、勝負にこだわる相撲クラブ「トヨタジュニア相撲クラブ」。
市内で年二回開催される相撲大会をきっかけに、本気で相撲に打ち込みたい子のために活動を始め3年が経つ。今では小学1年生から中学2年生までの男女合わせて16名が所属。毎週土曜の午前、稽古に励む。
相撲場に気合の声を響かせるのはキャプテンで6年生の永哲君。「相撲は勝負がはっきり分かるから好きだ。自分の強さも弱さもよくわかる。目標は県大会優勝」と話す。「お兄ちゃんがやってるのをみてカッコいい私もやりたいと思って始めた」「男女なんて関係ない、とにかく強くなることが目標」と、女子部員もやる気満々。
監督の横山さん、「相撲は礼儀のスポーツ。挨拶などの一般的な事に加え、相手をリスペクトできる力士になって欲しい。そして、相撲を真剣に楽しんで欲しい。相撲をする子が増える事も期待しているが、今目の前の子たちにしっかり指導していきたい。」と語りながら前身に滲む汗は、子供達を全力で受け止めている証拠だ。
土俵脇でその熱い稽古に視線を送るのは保護者達。「うちは女の子だけど、本人がしたいと言って始めたこと。しっかり付き添いたい」「負けず嫌いだけど、体の大きい子にはどうしても負けてしまい悔しがってる。乗り越えて欲しい」
体一つで勝負に挑み、相手とだけでなく自分自身とも戦うことのできる相撲。ここに本気で「勝負」に挑む子供達がいる。